今回は接着剤についてお話しいたします。
モノとモノを接着するには被着材の表面に接着剤を塗布することから始まります。
接着剤は液状でなければ塗布出来ません。液状にすることにより流動性が与えられ被着材の隅々にまで拡がる『ぬれ性』が確保されます。
この『ぬれ』という現象は、被着材と接着剤との分子間力の反映であり、その分子間力が大きいと球状であるはずの液体(接着剤)が固体表面(被着材)に引っ張られ拡げられているのです。液体が固体表面を限りなく完全にぬらすことができれば、すなわちぬれ易いものほど良くくっついていることになります。
合紙に関係する接着剤の種類は非常に多く、それぞれ異なる性能なり用途を持っています。
その主成分は主に合成樹脂であり、接着される材料や合紙後の実用条件を考慮して、増粘剤、粘着付与剤、充填剤、可塑剤、顔料などの添加剤が構成成分として目的に応じて配合されています。
この添加剤により初期接着性や被膜の柔軟性の付与、しみ込みの防止や接着層の凝縮軽減効果が期待できます。
形態は、合成樹脂の高分子物質が水に微粒子分散させるエマルジョン形(水分散形)と呼ばれています。一見すると牛乳のような単なる白い液体なので、昔工作で使ったデンプンのりなど接着機能を持つ何かを水に溶解させた水溶液にしか思えないのは自分だけでしょうか・・・・・
物性は、主成分〇〇樹脂、不揮発分何%,粘度〇〇〇mPa・sという内容で表示され、一般的な合紙用は酢酸ビニル樹脂、不揮発分20〜50%、粘度3000mPa・s以下が主流です。
当社は合紙・一般紙工用からユポ、ストーン紙など難接着用まで、乾燥被膜が柔らかいものから固いものまで材質、用途に応じた接着剤を取り揃えて品質維持に努めています。
合紙で大切な3要素は紙の状態、作業環境、接着剤の性能であると当社のグル-マイスターが言っております・・・・・なるほど!